* その美しさは絶品 しかし

玄関を出ると不自然に1枚、枯葉が落ちていた。


よく見るとその枯葉は立っている。
 

不思議なこともあるもんだと跨(また)ぐのをやめて
かがみ込んみよく見てみると

 
 
枯葉から足が出ている。

 

実に良くできた美しい「蛾」であった。
羽根のデザインはまさに目を疑うばかり。

 
美しく、そして
擬態として枯葉の持つ「色」や「形」、「自然な雰囲気」までを完璧なまでに模している。
これはアートなどではない。
「生命を守るため」に兼ね備えた、一切の妥協無き美しさであった。
 
 

 

素晴らしい。そして実に美しい。

 
常々思う。
神様は最高のアーティストであり、クリエーターであると。

 

  
 
でも
 
 
「蛾」である。

  
  
ボクは踵(きびす)を返し、玄関ドアを開け
  
「すごいキレイな蛾がいるから見てみなよ。」
  
と皆に声を掛けた。

 
 
 

「蛾でしょ。キモち悪いからいやだ」

  
 
 
誰も見に行こうとしなかった。

 
 
 
 
  
蛾はその夜も同じ場所にとまっていた。

   
次の日の朝も同じ場所にとまっていた。
 
 
 
 
時間に追われているボクは「蛾」を跨(また)いで通り、
再びかがみ込んでその美しさを堪能することはもう無かった。
 
  
 
  
  
少し寒い次の日の朝。
 
そこに蛾の姿はなかった。

  
 
誰の目にふれることもなく
 
 

 
蛾は静かに去っていった。

2017.04.03 Monday * 07:30 | 生活 | comments(0) | trackbacks(0)
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